Kitchen Tools LABO
2021/07/20フライパンのあれこれ -本体素材別比較-
フライパンにはたくさんの種類があります。
このサイトを見ただけでも、種類が多く、(どのフライパンが良いの?)と悩む人も多いはず。
今回は“フライパン本体の素材別の違い”についてご紹介します。
フライパンの素材には主に4種類の金属が使われています。 ステンレス、鉄、アルミニウム、銅。
ほとんどのフライパンはこの4種類の金属を単体または組み合わせて使うことで作られています。
「熱伝導率」、「蓄熱性・保温性」について
「熱伝導率」とは
熱の伝わり易さを表します。高いほど、フライパンは早く熱せられます。
熱伝導率の比較:銅>アルミニウム>鉄>ステンレス ※1
「蓄熱性・保温性」とは
素材の熱容量のこと。フライパンにどの位熱を溜めていられるか。高いほどフライパンは冷めにくくなります。
熱容量=物体の比熱×物体の質量
比熱とは、温度変化のしにくさを示す値で、 1g当たりの物質の温度を1℃上げるために必要な熱量となります。
比熱の比較:ステンレス>鉄>銅>アルミニウム ※1
質量とは。
質量=物体の比重(密度)×体積
比重の比較:銅>鉄・ステンレス>アルミ ※1
板厚により質量は大きくなります。板厚が 厚いほど熱容量は大きくなり、冷めにくくなります。
熱容量が大きいフライパンは温度制御がしやすく、予熱で一旦適温に至れば、その後は弱火でも温度を維持することができます。
各金属のフライパンの特徴
ややこしいので、簡単な表にまとめてみました。
「熱伝導」や「蓄熱性」の性能も大切ですが、商品を選ぶ際には価格やお手入れ方法も気になるところです。
素材名 | 重さ | 熱伝導 | 蓄熱性の高さ | お手入れの 簡単さ |
価格 | 丈夫さ |
アルミ | 軽い | すごく良い | 低い | 簡単 | 安い | 弱い |
ステンレス | 重い | 悪い | 高い | 簡単 | 高い | 強い |
鉄 | 重い | 悪い | 高い | 大変 | 安い | 普通 |
銅 | 重い | すごく良い | 低い | 大変 | かなり高い | 弱い |
どの素材がどんな人にどの素材が向いている?
ステンレス:丈夫さや手入れの簡単さ重視の人。
アルミ:軽さ重視。素早く調理したい人。火加減を調整しやすいので料理慣れしている人にはとても使いやすい。
鉄:中華や炒めものなど火力の高い料理をする人。お手入れできる人。
銅:高額でも軽くて、熱伝導率の良いフライパンが欲しい人。料理や道具にこだわりたい人。お手入れできる人。
今回は、あくまで「本体の素材 単体」のはなしです
多くのフライパンは、一つの素材だけではなく金属の組み合わせで作られています。組み合わせる事で熱伝導率や蓄熱性が変化し、より使いやすいフライパンになっています。
そして、使い勝手は本体の素材だけでなく、コーティングや表面加工、ガスなのかIHか、使う人やコンロの火のくせ、など複合的な要素が関わってきますので、本体の素材だけで「私にはこのフライパン!」と簡単に答えは出ません。フライパンは奥がとても深いです。
次回はコーティングについて、掘り下げてみたいと思います。
※1
ステンレスは一般的にフライパンに使用されるステンレスの値。
この記事で紹介した商品
Kusama
Y-YACHTで10年営業職を経験。
出産・育休を経て職場復帰。2021年の春からワイ・ヨットストアのスタッフに加わりました。
夫と娘と柴犬(まめ)との 3人+1匹暮らし。
家族との食事の時間を大切にしています。
「食」にまつわる時間に、役立つ情報をお伝えできればと思います。